iCeMSはこれまで物質と細胞のインターフェースの現象を捉え、機構を解明し、人工的に操作する技術の開発に注力してきました。設立10年の節目を迎えるにあたり、iCeMSが保有する先端技術と実験装置を多くの研究者が利用できる環境を整え、物質細胞科学研究を発展・深化させることを目指し、原子・分子の特性解析装置を揃えたマテリアルズ解析部門 (現 マテリアルズ解析ユニット)と、生体分子・細胞の観察・解析装置を揃えたバイオ解析部門 (現 バイオ解析ユニット)の2つの部門をあわせて、平成29年4月、iCeMS内に「解析センター」を設立いたしました。その後、共通設備支援ユニットを含め 3 ユニットとなりました。

バイオ解析ユニット
[ 顕微鏡 ]
 多光子励起ユニットや超解像ユニット搭載の共焦点顕微鏡など生細胞の長時間観察が可能な機器により、細胞の微細構造から多細胞にわたる動的挙動の観察と解析を支援します。
[ 分子・細胞解析 ]
 細胞を流体に分散させて光学的に分析したり、選択的に回収したりできる、フローサイトメーターやセルソーター、DNAの塩基配列を決定することができるDNAシーケンサーがなどがあり、細胞のより多くの性質を解析、分析することが必要な研究に寄与します。

マテリアルズ解析ユニット
[ 分析 ]
 ナノスケールでの形態や状態の分析、物質の構造解析や精密定量測定等の物理的性質の解明に必要な測定と解析を支援します。
[ 評価 ]
 反応系に含まれる物質の定量や有機分子の部分的構造解析、多孔性材料の吸着測定など化学的な反応特性の解明に必要な測定と解析を支援します
[ 作製 ]
 電子顕微鏡などのサンプル作製、またドラフトを使用した有害物質の取り扱いも可能です。

共通設備支援ユニット
[ 管理 ]
 iCeMS内にある共通機器や実験室から、機器予約システムや機器利用料金、外部資金を含む予算の管理まで研究にかかわるすべてを管理しています。
[ 支援 ]
 適切な実験機器の紹介やiCeMS内外に異動する研究室の機器に関するコンサルテーション、動物実験施設の事務手続き等、分野に限らず果敢に異分野融合研究を行う研究者を総合的に支援します。
[ 講習 ]
 新しい共通機器利用方法や仕組みの設計、安全に機器や実験室を利用する為の講習を開催して、安全な実験環境の構築・維持に務めています

 iCeMS解析センターはこれからも研究者の卵から新規分野に参入する専門家まで、世界中からの参加を受け入れ教育と訓練に力をいれていきます。